夫婦登山のブログ

アラフィフ登山初心者夫婦の山遊びの記録です

手術・術後・退院<下山中に足首骨折>

 怪我部分の画像を掲載している記事になります 

 

〇7月28日(金)手術当日 <入院11日目>

12時40分。

あと20分で手術室へ移動するためのお迎えが来るということで、浴衣に着替えました。

病院が用意してれるものもあったのですが、すでに妻が用意してくれていたのでこちらを着用。

下着はまだ着けたままで良く、手術室に移動してから脱がされることに。

事前の説明で、身に着けている貴金属類はすべて外しておくこと。というのがあったので、指輪を外していきます。

無事に帰ってきて、またはめます。

 

〇手術中

時間が来て車椅子に乗り込み、看護師さんが手術室まで押してくれる。

さすがに少し緊張してきた。

手術室のドアが開くとそこには看護師さんが3名待機していた。

名前の確認、手術箇所の確認をし、中へ通される。

 

そこは、よくテレビなどで見かける、「ザ・手術室」という感じの部屋で、中心にベッドが配置され、天井には大きな照明、周囲にはいろんな機器類、ディスプレイが配置されていた。

そしてなによりも人の多さにびっくり。

主治医の先生、執刀医の先生、看護師さん3名、放射線技師さん?2名、と、その後もどういう人なのか、入れ代わり立ち代わり、かなり多くの人が出入りしていた。

ベッドに横になると、すぐさま3人の看護師さんが取り囲み、一斉にそれぞれの準備をし始める。みなさん手際が良い。

 

そしてついに一番嫌だなと思っていた、脊髄くも膜下麻酔(腰椎麻酔)を受けることに。

少し背中を丸め、空いた脊髄の隙間から神経の近くに麻酔を注入する方法。

太い注射針を背中に刺すイメージで、この針が痛いんだろうなと覚悟していったのですが、いざやってみると、「えっ?もう今刺さってるんですか?」と聞いてしまったぐらい、一瞬チクっとした程度でほとんど痛くありませんでした。

麻酔が注入されはじめると、徐々に足が温かくなる感覚が広がり、少しずつ自分の意思で足を動かすことができなくなってきました。

麻酔の効き具合を確認するために、看護師さんがアルコールをつけたガーゼで数か所を触り、冷たさを感じるかどうかを確認する。

私の場合は少し麻酔が効くスピードが遅かったようで、通常よりも待機している時間が長かったよう。

麻酔が効くのを待つ間に、もうひとつ嫌だと思っていた、尿道カテーテルをつけられた。

「陰茎の先端から管を通される」なんて、とてつもなく痛いのではないかと、とてもドキドキしていたのですが、麻酔が効き始めてから作業してくれたので、まったく痛みも、感覚もなく、これもまた「えっ?もう入ってるんですか?」という感じで終わりました。

助かった。

その後麻酔が完全に効き、手術が始まる。

予定では4時間の手術で、意識だけはしっかりとあるので、その間、たぶん自分は暇なんだろうなと思っていましたが、案の定、なにをするでもなく暇。

その後も手術室には、研修医なのか、これから医者になる学生なのかが見学に来たようで、執刀医の先生が手術をしながら世間話をしているのが聞こえてくる。

人によっては、「おいおい、手術中におしゃべりなんかしないでくれよ」と思う人もいるかも知れませんが、私の場合は、それぐらい余裕でやってくれた方が安心かもしれないと思いました。

 

最初は外側(外果)にプレートを入れていく手術。

なかなか準備に時間がかかっているようで、その間に眠くなり少し眠ってしまった。

手術中はどうせ暇だろうから、なんとか寝てやろうと思い、午前中に少し眠たくなったところを我慢しておいたのが正解だった。

そして看護師さんに起こされ、

:「もう始まってるんですか?」

 看護師:「はい、始まってます」

:「もう足を切り開いてるんですか?」

 看護師:「ちょうど今開いているところです」

:「こんな機会めったにないので、自分で見れたりします?」

 看護師:「少し見ます?あまり見たいって言う人はいないですけど」

と言いながらも手元のモニターに映して、手術部分を見せてくれた。

そこには皮膚を切り開かれ、器具で固定され、骨が見えている足の映像があった。

これはなかなか衝撃的な光景。

ただ、完全に麻酔が効いているため、それが自分の足で今まさに手術をされている光景というようには見えず、他の誰かの手術シーンを見ている、そんな不思議な感覚でした。

 

15時半に外側(外果)の手術が終わり、手術室内にはひと段落した雰囲気が漂っていましたが、続けて内側(内果)を手術していかなければいけないのに、予定の17時までに終わるのかな?と考えていたら、やはり予定よりも時間がかかってしまっているとのこと。

そして、完全に麻酔が効いていた時よりもなんとなく触られている感覚が戻ってきているような気がしていた。

医師:「予定よりも時間がかかっています。このままいくと麻酔が切れてくるかもしれないので、麻酔を延長させるために神経ブロックを打っていいですか?」

と確認が入り、

 :「いや、私もなんとなく感覚が戻ってきているような気がしたのでお願いします!」

と即答。

手術中に麻酔が切れて痛みを感じ出すなんて、そんなの恐ろしすぎる。

手術中は医師他、多くの人がしゃべっているのが聞こえ、電動ドリルの音や、ハンマーのようなものでたたいてその振動が体に伝わってきたりと、なんだか手術ってDIYだな、なんて思って笑えてきました。

その後、無事に内果の手術も終わり、完全に手術が終わったのが18時半、結局5時間半もかかる手術となりました。

先生他、スタッフの方々、長時間頑張ってくださりありがとうございます。

手術は体力ということでは自分も頑張らないといけないですが、どちらかというと、手術室内にいるスタッフの方々が頑張ってくれるんだと実感しました。

麻酔のおかげで手術中は傷口が痛むことなどは全くなかったのですが、長い時間中途半端に斜めな角度で寝ていたため、腰がとても痛くなりました。

そして、手術をする右足太もも部分に止血のためのバンドを長時間されていて、このバンドの締め付けが手術中一番痛かった。

手術後10日経過してもまだ痕がくっきりと残っていました。

 

〇手術後の夜

●19:00

無事手術室から部屋へ戻ってきました。

喉が渇いているのですが、手術が終わった時刻から4時間は飲食禁止ということなので、22:30まで何も飲むことができません。

そして思っていた以上に身動きが取れません。

腕には点滴の針が刺さり、

膀胱からつながる尿道カテーテルの袋がベッド下に設置されている。

この尿道カテーテル、自分のイメージでは、「尿意を感じて排尿をしようとしたら、管を通って排出される」と思っていましたが、「尿意を感じる前に常に排出されている」と説明がありました。

右足は常に高めに上げておかないといけない。

 

●23:15

麻酔が切れてきて、だいぶ手術箇所が痛んで来ている。

外側よりも内側に、ズキズキとした痛みがある。

ただ、指先の感覚がまだないので、麻酔も切れきってはいないのでしょう。

さらにこれから痛くなる可能性もありそうで、恐ろしい。

22:00から痛み止めの点滴を打ってもらってはいるので、これでも多少は痛みは軽減されているのか、それでも痛い。

 

●翌1:30

とても寝ることなんてできない激痛。

麻酔が完全に切れるとこんなにも痛いのか。

足を上げたり、他の部分を揉んだり、どんなことをしても痛い。

手術なんて二度としたくない。

そんな激痛に耐えながら一晩を過ごす。

骨折をして下山をしてくる時よりも、手術後の麻酔が切れた時が一番痛かった。

 

〇7月29日(土) <術後1日目、入院12日目>

結局、あまりの痛みに前日の晩からほとんど寝れずに、悶絶していたら夜が明けました。

朝食の時間にご飯が運ばれてきましたが、痛みを我慢しながら食事をする。

救いは朝食と一緒に痛み止めの薬が処方されたので、これが効いてくれることを願うのみ。

尿道カテーテルを抜くタイミングは個人の判断ということだったので、前日に抜いてもらっても良かったのですが、点滴をしながら自らトイレに行くのは面倒だなと思い、点滴を抜く時に一緒に抜いてもらうようにお願いした。

そして翌朝10時、点滴とカテーテルを抜いてもらっいました。

カテーテルを入れる際は麻酔が効いていたので全くなにも感じなかったのですが、今回は麻酔も切れた状態なのでドキドキしましたが、一瞬、「うっ!」という、痛いという感覚ではなく、なにか熱いものが尿道を通過したぐらいの感覚で終わりました。

良かった。

そして、他の方のネットの記事には「尿道カテーテルを抜いた後、数日間は排尿時に痛みを感じる」というのを読んでいたので、これまたハラハラしながら排尿してみたのですが、まったく何も痛みもなく、いつも通りの感覚で排尿が出来て一安心しました。

 

午後からはリハビリの予定が入り、手術した翌日からすぐにリハビリってやるの?と驚きましたが、まずは手術していない他の部位の筋力をなるべく落とさないよう、ベッド上でできる簡単な運動を教えて頂きました。

 

夕方、包帯の巻き直しの際、手術後にあてていたガーゼを通り、外の包帯にまで血がにじんでいて心配になりましたが、朝から変わりはなく、すでに血が止まっているという判断で、これは心配ありませんとのこと。

これだけ血が付いた包帯はさすがに取り換えて欲しいなと思っていたのですが、そのまま使用して巻き直しをしていたので、これが普通のよう。

 

  

〈朝ごはん〉ご飯180g、豆腐とエビの炒め物、みそ汁、ゆずみそ、牛乳
〈昼ごはん〉ご飯180g、白身魚のフライ、スナップエンドウ、じゃがいもの炒め物、帆立サラダ
〈夜ごはん〉ご飯180g、すき焼き風煮、茄子のみそ炒め、マカロニサラダ、マヨネーズ、ヤクルトカロリーハーフ

 

〇7月31日(月) <術後3日目、入院14日目>

だいぶ痛みはなくなってきて、夜も普通に寝られるようになってきてました。

痛みのレベルは、手術後の夜の痛みを10とすると、もう2ぐらいにまでなってきています。

朝昼晩の食後に処方されたロキソニンを飲んでいるので、この痛み止めが効いているのか、単純に痛みが落ち着いてきたのかは分からない。

指先のしびれはまだあるものの、触った感覚はかなり戻ってきています。

午後にはまたリハビリがあり、暇さえあれば、指先を上側へそらせるようなマッサージをしてくださいとの指導。

また、初めて松葉杖を使う練習があり、これはポイントだけ教えて頂いたら問題なく使用できました。

今まで松葉杖なんて使ったことがありませんでしたが、いざ使ってみると、普段なにげにやっていることが何一つ出来ないということに気づきます。

左足一本で立ち上がることの不安定さ、勝手に締まる扉の出入りのしにくさ、片手になにかを持って歩く、ただそれだけのことも難しい。

バリアフリーのことや、ユニバーサルデザインについて調べる機会にもなりました。

  

〈朝ごはん〉ご飯180g、厚揚げの肉あんかけ、みそ汁、ゆずみそ、牛乳
〈昼ごはん〉ご飯180g、そぼろ丼、筍と人参の煮物、ほうれん草サラダ、マヨネーズ
〈夜ごはん〉ご飯180g、海鮮八宝菜、じゃがいものきんぴら、キュウリとささみのごまだれ和え、ムース

 

〇8月2日(水) <術後5日目、入院16日目>

朝の回診で術後初めて包帯をほどき、傷口をチェック。

傷の状態としては悪くないとのこと。

多少しびれが残っていて、まれに多少のしびれが残ってしまうこともあるそうですが、腫れの影響もあると思われ、次第に消えていくのを待つしかなさそう。

この状態を見て、明日退院しても良いとの判断が下り、翌日の退院が決定しました。

  

〈朝ごはん〉ご飯180g、コンソメ煮、みそ汁、いわしふりかけ、牛乳
〈昼ごはん〉ご飯180g、サバの塩焼き、大根おろし、カリフラワー、肉じゃが、白菜の胡麻和え
〈夜ごはん〉ご飯180g、麻婆豆腐、春巻き、サラダ、マヨネーズ、杏仁豆腐

 

〇8月3日(木) <術後6日目、入院17日目>

退院の朝、最後の病院食を頂く。

ご飯180g、厚焼き玉子、鶏ささみ和え、みそ汁、味付け海苔、牛乳。

なかなか寂しい内容ですが、文句は言えません。

お世話になりました。

そして妻が迎えに来てくれ、無事に退院することができました。

 

17日ぶりに出た外の世界は、「暑い」

ずっとエアコンの効いた病院内で過ごしてきたので、汗をかくなんてことはなかったのですが、この暑さの中で松葉杖をついて移動をするとなるとなかなか大変そうです。

帰宅後は私の好物の妻の手料理と、ケーキで退院祝いパーティー

太ると足に負担になるのでほどほどにしておかないといけませんが。

術後1ヶ月は一切荷重をかけてはいけないということなので、少しずつリハビリを進めて行き、まずは二本足で普通に歩けるようになることを目指します。